会長挨拶

学会の役割と実働

平成28年 第38代会長 上坂 充(東京大学大学院工学系研究科原子力専攻 教授)

uesaka

東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故から5年が経過しましたが、いまだ避難生活を余儀なくされている多くの方々に、心からお見舞いを申し上げます。
本学会は、原子力および放射線の平和利用に関する学術および技術の進歩をもって、環境・社会の発展に貢献することを目的としています。
原子力の専門家でありながら、震災による事故を未然に防げなかった事実を重く受け止め、被害を受けられた方々が一日でも早く故郷で元通りの生活を送れるよう、引き続き総力を挙げて貢献していくことをまず学会の重要課題に挙げたいと思います。
「福島特別プロジェクト」、「福島第一原子力発電所廃炉検討委員会」では活動の更なる充実を図り、問題解決に全力で取り組んでまいります。「東京電力福島第一原子力発電所事故に関する調査委員会(学会事故調)」で挙げられた課題のうちの、他学協会との連携強化のため、新たに「福島復興・廃炉推進に貢献する学協会連絡会」を33学協会の参画を受けて立ち上げました。さまざまな専門性と知見を持つ他の学協会とも連携を取り、廃炉と福島復興の支援活動をさらに充実させていく所存です。

電力の供給は様々な要素のバランスの上に成り立つべきであり、ベストミックスとしての電源構成に向けて、原子力発電の安全に寄与したいと考えます。原子力・放射線の安全に関する、有効な科学技術的事実・データに関しましては、分かりやすく丁寧に社会に発信いたします。
加えて学会として、核燃料サイクル、高速増殖炉、さらには核融合までを含めた総合的な議論を展開し、原子力の可能性を検討していきたいと思います。
放射線応用では、医療・農業・自動車・半導体分野等、電力分野以外で様々な社会貢献が行われており、経済面へも大きな影響をもたらしています。
原子力発電と放射線応用の将来を担う学生の教育と人材育成にも大いに力を注いでまいります。
本学会は、部会・支部会・各種委員会・年会大会等、個々の活動の有機体として成り立っています。それらの個々の活動が益々活性化していくことが、学会全体の発展につながります。研究専門委員会を通して研究開発力を高め、国際的プレゼンスを向上させて、皆様方と一緒に学会を盛り上げていきたく存じます。


平成28年度副会長

田中隆則  (一財)エネルギー総合工学研究所
駒野康男  MHIニュークリアシステムズ・ソリューションエンジニアリング(株)
岡嶋成晃  (国研)日本原子力研究開発機構