【意見公告】145. 原子力発電所における燃料の先行照射に係る実施基準:20XX
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この標準は,(一社)日本原子力学会が,標準委員会, システム安全専門部会及び炉心燃料分科会での審議を経て制定したものです。この標準では,国内の原子力発電所の運転及び管理を行う事業者が,新設計燃料の本格導入に先立つ燃料挙動の確認及び確認した燃料挙動情報の本格導入許認可での活用を行うために実施する国内の原子力発電所における先行照射燃料の照射に当たり,実施要件を整理し,規格化したものです。
炉心燃料分科会では先行照射燃料に係る標準の作成を進めていましたが,炉心及び燃料の安全設計に対する基本的要求,具体的要求等の階層構造を技術ベースで体系的に整理することが先決であると判断して,標準の作成を中断していました。この体系的な整理については,これまでに十分に議論され,「発電用軽水型原子炉施設の炉心及び燃料の安全設計に関する報告書(AESJ-SC-TR009-1:2021)」に最新の検討結果がまとめられています。
東京電力福島第一原子力発電所の事故以降,国内の新設計燃料の導入は進んでおらず,世界標準からの遅れを早急に取り戻すことが望まれています。一方,世界中で事故耐性燃料の開発が積極的に進められており,近い将来,これらを国内の原子力発電所に導入することも視野に入れる必要があります。このような状況で,幅広い開発レベルの新設計燃料を対象とした先行照射の活用方策を検討することが望まれています。
また,国内外の試験炉の廃炉が相次いでおり,これまで海外商用炉で実施してきた先行照射の利用についても将来的には不透明な部分があり,国内の先行照射の役割を広げることも考えなければなりません。
これまでも,本格的な新設計燃料の導入の前に国内の先行照射を経た事例がありますが,先行照射を実施する判断基準及び実施プロセスが明確ではないため,基準適合性を示すために本格導入と同様の許認可取得を行ってきました。この手順は,新設計燃料を速やかに導入するという観点からは,必ずしも得策ではありません。
国内の原子力発電所に新設計燃料を導入して運転するに当たっては,事前に想定されるリスクを排除することが必要であり,新技術の工学的安全性を確認した後に導入することが重要です。先行照射の審査に備えて,具体的にどこまでのデータ取得,安全設計及び安全評価が必要となるのかを明確にしなければなりません。新設計燃料には,構成部材の材料及び構造を一部変更する軽微変更から,機能要求を見直すような大幅変更まで存在します。新設計燃料の内容とその技術的達成度,さらには先行照射のリスクの程度によって,先行照射を実施する判断基準及び導入プロセスは異なるものとして,技術的な考え方を整理しました。
この標準が,国内の先行照射を,安全性を確保しつつ効率的に進め,結果として原子炉の安全性の向上に寄与することを期待しています。
お問合せ先,ご意見提出先
一般社団法人 日本原子力学会 事務局 標準委員会担当
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E-mail:sc[a]aesj.or.jp ←[a]を@に置き換えてください
Tel:03-3508-1263
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