一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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理事会だより

2025年春の年会」開催実施報告 

 1.はじめに

 「2025年春の年会」は、2025312日から14日の3日間にわたり、コロナ禍最中の2022年春の年会以来のオンライン方式で開催されました。今回は、年会・大会に係る開催支部の負担軽減を図るとともに、年度末にかかる春の年会では現地参加が困難になる場合があること、また育児等で来場が困難な方も参加可能となることを踏まえての部会等運営委員会ならびに理事会での方針決定(20236月、春の年会はオンライン・秋の大会は対面)を受けての初めてのオンライン開催となりました。オンライン開催であるため、現地への移動が無いのはもちろん発表会場間の移動も容易であり、さらに会場の収容人数にも制限が無く会場外まであふれることが無いなど、オンラインならではのメリットが随所に見受けられました。一方、対面でのメリットである、円滑な意見交換や情報交換、発表時間外での意見交換などによる人脈形成、学生・若手の(対面での)発表機会の提供などの重要性を改めて意識することとなりました。

 2.一般発表、部会・連絡会セッションなど

 今回の発表会場としては、AIまでの9会場が設定され、一般発表292件、委員会セッション、部会・連絡会セッションおよび総合講演・報告の企画セッションが25件というプログラム構成でした。対面で開催された、「2024年秋の大会」(15会場、一般発表574件、企画セッション29件)および「2024年春の年会」(13会場、一般発表524件、企画セッション30件)と比較して一般発表件数が大幅に下回りました。またオンライン開催された「2022年春の年会」(12会場、一般発表490件、企画セッション33件)と比べても大幅に少ない一般発表件数となりました。そのため会場数が例年の3分の2程であることに加えて、いつもはセッションが3日間にわたり組まれる分野においても2日で終了するなど、一般発表件数の少なさが実感される状況となりました。一方、企画セッションについては、例年通りの件数であり、各分野での技術開発や検討状況について、安全や安心、機械学習(ML)や人工知能(AI)、ダイバーシティなど様々な観点を交えた講演や議論が行われました。

 3.学生連絡会ポスターセッション

 ポスターセッションは、学生連絡会主催で実施されており27件の発表が行われました。対面実施ではないものの、原子力に関連した研究を行っている学生が研究成果を気軽に発表し多くの方々と議論を通じて交流する場を提供する、という狙いについては、活発な質疑や意見交換が行われるなど回数を重ねるごとに着実なものとなっていると感じることが出来ました。

 4.おわりに

 今回の年会では、近年の対面開催だけでなく過去のオンライン開催と比較しても一般発表件数が大幅に少なく、多くの方々が、次の北九州での対面での発表を念頭に、今年会でのオンライン発表を手控えたことが伺えます。今後の年会・大会は、2025年秋の大会は北九州国際会議場にて、2026年春の年会は熊本城ホールなどにて、2026年秋の大会は愛媛大学にて、全て対面で開催すべく準備が進められています。また、それ以降の春の年会についても、すべて対面で開催することを、2025527日開催の部会等運営委員会にて決定したところです。
 会員の皆さまにおかれましては、次回の年会・大会から参加料値上げもありますが、今後とも積極的に年会・大会へのご参加ならびにご協力を賜りますようお願いいたします。また最後になりましたが、今回の年会の運営にあたり関東・甲越支部ならびに学会事務局には大変お世話になりましたこと、また参加者の皆さまには厚く御礼申し上げます。

北田孝典(部会等運営理事、大阪大学)