一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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理事会だより

春の年会・秋の大会の参加料の値上げについて

 すでにAESJ-NEWS等でお知らせしておりますように、本会では2025年秋の大会より、参加料を改定致します。本会では、2012年の改定以降、過去12年間にわたり春の年会および秋の大会の参加料を据え置いてまいりました。しかし、近年の物価上昇により、会場費をはじめとする年会・大会運営経費が増加しており、参加料の見直しは避けられないとの判断に至りました。今回の「理事会だより」では、参加料改定に至った背景および改定内容についてご報告致します。

1.参加料改定の背景

 本会における春の年会および秋の大会は、年間を通じた主要な事業であり、その収支の安定は本会の円滑な運営にとって不可欠です。これまで、本会では、参加料および企業出展料を主な収入源とし、特別なスポンサー等の支援を受けることなく、年会・大会を開催してまいりました。
 しかし近年、会場費の高騰、人件費の上昇などにより、予算内で確保可能な会場の選択肢が限られつつあり、また、運営を担う学生アルバイトの確保にも困難が生じております。これまで支出削減や出展企業増などの自助努力を重ねてまいりましたが、それも限界に達しており、参加料の改定が不可避との結論に至りました。

2.改定内容およびその根拠

 本会では2012年秋の大会の開催時に以下のように参加料を改定しました。
・正会員(発表者): 8,000円 → 10,000円(早期)
・正会員(聴講者): 6,000円 → 10,000円(早期)
・学生会員(発表者):4,000 → 2,000円(早期)

 今回の値上げの大きな要因は会場費の高騰です。特に、大学等の会場利用料が上昇し、コンベンションセンター並の水準に達する例も出てきております。この問題を審議した部会等運営員会(20241127日開催)においては、以下の意見が出されました:
・小刻みな値上げよりも、持続性を考慮した長期的視点での値上げを行うべき
・正会員の多くは参加料を所属の機関・企業が負担しており、個人の経済的負担は限定的である
・学生、シニア層には配慮が必要
・非会員へ入会を促す料金設定とすべき
 これらの議論を踏まえ、表1に示す新料金を設定しました。

表1 参加料一覧(会員は不課税価格、非会員は課税価格)

 
*海外協定学会会員、賛助会員枠は上記正会員額に課税

 正会員(早期)は10,000円から15,000円と、5,000円(50%)アップとなっています。一方、学生会員、シルバー会員、教育会員(早期)は各1,000円アップと最小限にとどめました。また、非会員は16,500円から27,000円と大幅に値上げし、正会員に入会した上での参加料(入会金2,000円+年会費10,000円+参加料15,000円)と同額としました。
 この参加料改定により、会場選定の自由度が増します。また、値上げにより仮に正会員の参加者が16%程度減少したとしても運営に支障は生じません。なお、2012年度の参加料値上げ(正会員で2,000円、25%アップ)時には、参加者数に明確な減少はみられませんでした。さらに、物価上昇を年数%と仮定しても、今後5年程度は再度値上げの必要がないとの見通しです。この参加料改定案は、臨時の部会等運営委員会(2025121日開催)にて、審議・了承され、続く総務財務委員会および2025129日開催の理事会での審議・承認を得て、正式に決定しました。
 改定後の参加料と主だった他の学会の参加料とを比較した結果を表2に示します。

表2 他学会の年次大会参加費例(すべて会員は不課税価格、非会員は課税価格)


 他の学会の参加料も、正会員で15,000円前後であり、これまでの本会の参加料(正会員で10,000円)は割安であったことが伺えます。また、本会の新参加料は、他の学会とほぼ同水準であることが確認されました。

3.今後の年会・大会について

 今回の参加料改定により、本会の年会・大会運営にかかる財務基盤の安定が期待できます。これにより、
・地方都市での年会・大会の開催を積極的に展開し、発表者・参加者増を図ることによる、会員間の交流の更なる活性化ならびに研究活動の活発化
・企業展示の拡充を進め、産学連携および会員のキャリア支援の強化
・開催地域への経済的・社会的貢献(市民公開講座等の開催)の拡大
・財務余力を活かした一部業務の外注による、開催地支部の負担軽減
・年会・大会の一部のハイブリッド化等による会員の利便性向上
などが可能になると期待されます。今後の年会・大会のあり方については、会員の皆様のご意見を伺いながら、部会等運営委員会を中心に検討を重ねてまいります。このたびの参加料改定について、皆様のご理解を賜るとともに、引き続き、年会・大会への積極的なご参加・ご支援をお願い申し上げます。

小崎 完(副会長、部会等運営委員会委員長、北海道大学)