一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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シミュレーションの信頼性確保に関するガイドライン:2015(AESJ-SC-A008:2015)

1602

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20,625円
注文番号 1602-01

登録情報
  • ISBN : 978-4-89047-393-9
  • 担当部会 : シミュレーションの信頼性分科会
  • 版型頁数 : A4/110頁
  • 発行年 : 2016/7/15
16,500円
注文番号 1602-02

登録情報
  • ISBN : 978-4-89047-393-9
  • 担当部会 : シミュレーションの信頼性分科会
  • 版型頁数 : A4/110頁
  • 発行年 : 2016/7/15
内容紹介
<まえがきより> 近年のシミュレーション技術の進歩とコンピュータの性能の急速な向上とが相まって,原子力分野におけるシミュレーションの果たす役割が増大し,その際のシミュレーションの信頼性の確保が共通の課題となっています。また,商用コードの普及により,シミュレーションの中身がブラックボックス化し,信頼性をどのように担保すべきかが問われてきています。米国及び欧州においては,シミュレーションの信頼性の確保にかかわる技術的ガイド又は標準を作成する動きが活発になってきています。 最先端のシミュレーション技術の動向として,モデリング&シミュレーションの議論が発展し,そのモデリングの検証及び妥当性確認の方法論が着目されています。合わせてその信頼性を継続的に改善するための仕組みが重要であり,それらの的確な実施の下でシミュレーションの予測性能を担保する必要性があります。シミュレーションの信頼性確保のためには,モデルの不確かさ評価を含めた検証及び妥当性確認のための方法論の確立が必要であり,原子力分野においても喫緊の課題であることが指摘されています。 そうした中で,2011年3月11日に東京電力株式会社福島第一原子力発電所で複数号機のシビアアクシデントが発生しました。この事故の詳細な事実関係を明らかにし,事故に至る種々の原因を解明し,その反省及び教訓を踏まえて原子炉の安全性を一層高めていくことは,原子力に関係する者に課せられた使命といっても過言ではありません。 原子炉にかかわるシミュレーションの分野では,この事故の教訓に基づき,シミュレーションが取り扱うべき対象の範囲及び事象想定が大きく拡大することとなりました。また,日本原子力学会の学会事故調査委員会の最終報告書では,自然現象の複雑さと我々が持つ知見の限界とを認識し,シミュレーション技術の検証によりこれを適切に運用すること,同事故に対するシミュレーションの不確かさが大きなことからシミュレーション技術の向上へ新たな知見を収集する取組の必要性が提言されています。このような諸課題を着実に解決して行くためには,モデリング及び予測における不確かさの定量化及びその低減に資する客観的な方法論の枠組みを構築し活用することが重要となります。 さらに,わが国の原子力安全を真に向上させるには,原子力分野における主要なシミュレーション手法の自主開発などを通じて,福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえた安全対策などの過程で我が国が開発・整備する最新の技術的知見,安全機能などを新たなモデリング及びシミュレーション技術の形で集大成すること,そしてこれとともに,関連する検証及び妥当性確認のための方法論の自主的な規格化を推し進めることで,世界最高水準の原子力安全の実現及びその継続的改善を技術的に支援するためのシミュレーション技術基盤の整備を早急に実現することが肝要です。 このような背景から,原子力にかかわるシミュレーションの信頼性に対するモデリング,妥当性確認及び検証,並びにモデルの予測性能の判断のための方法論の枠組みを整備し,シミュレーションの信頼性の確保にかかわる基本的な考え方などの技術要件をまとめたガイドラインを早急に制定する必要が生じています。 「シミュレーションの信頼性確保に関するガイドライン:2015」は,一般社団法人日本原子力学会が標準委員会基盤・応用技術専門部会におけるシミュレーションの信頼性分科会,同専門部会,同委員会での審議を経て制定したもので,これまでに得られた知見に基づいて,原子力にかかわるシミュレーションの信頼性確保のための幅広い技術分野に共通する考え方を規定したものです。 このガイドラインの策定により,原子力分野のシミュレーションについて,科学的により一層確実な信頼性を確保するための手段に関する基本的な考え方が提供されるものと期待されます。また,このガイドラインが,原子力関連施設の設計,建設及び運転に適用される核,放射線,熱流動,化学反応及び構造分野,並びにこれらの複合分野における個別のシミュレーション技術の信頼性確保のための実施基準の策定に活かされることが期待されます。 AESJ-SC-A008:2015には,次に示す附属書(参考)があります。ただし,附属書(参考)は規定の一部ではありません。 附属書A(参考) このガイドラインで取り扱う概念の説明 附属書B(参考) エレメント1 概念モデルの開発 附属書C(参考) エレメント2 数学的モデル化 附属書D(参考) エレメント3 物理的モデル化 附属書E(参考) エレメント4 シミュレーションモデルの予測性能の判断