一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

会員専用サイト

事故調提言フォローを基盤とした未来の日本原子力学会の活動への提言

活動の経緯

本会では2014年度に福島第一原子力発電所事故調査会による提言(引用文献1))をまとめ、2020年度では事故後10年を節目として提言の追跡(フォロー)を行い、提言への対応状況と課題を報告書(引用文献2))として提示いたしました(以下では、前者を「事故調提言」、後者を「提言フォロー」と呼称します)。さらに、2020年度 中島会長は、「提言フォロー」の中で、本会としての取り組みに特に関連する部分の抽出とそれらへの対応の必要性を整理しました。

これらの背景のもと、2021年度 山口会長のリーダーシップにより、本会は、学会事故調提言フォロー活用タスクフォースを設立し、「提言フォロー」を昇華して本会の未来に向けての提言を提示することと致しました。

なお、ここでの検討では、「提言フォロー」をまとめる際に整理した2020年度までのエビデンスに加え、現時点(2021年度)での活動を可能な範囲で俯瞰し、今後、本会はどのような取り組みを進めていくべきかを提言(以下、本提言と呼称)としてまとめております。

本提言はタスクフォースメンバー(末尾に記載)の意見であり、学会内を対象としており、理事会は本提言を承認しております。タスクフォースおよび理事会は、本会がこのような取り組みをも進めていることを、ホームページにより公開することといたしました。

提言の内容

提言の背景の詳細および具体的な内容については提言をご覧ください。

ここで、中島前会長の「本会としての取り組みに特に関連する部分の抽出」は本提言の2章の各項目に対応しております。また、本提言の「提言フォロー」との違いは、「事故調提言」の枠を超えた視点からの提言も行っている点にございます。

本提言では、社会との対話に基づく活動、所属組織ではなく社会の利益のための活動、そして、従来の原子力(関係者)の枠にとらわれない活動の重要性を、基本理念に据えております。本会組織の在り方また他学会や関係組織等との連携については、常に確認し、必要に応じて見直していくことが重要であり、そのためにも定期的にこのような取り組みを行うことは意義があります。本会が、社会から一層信頼され、関連する学術を持続的に国内外に発信していく上で、これらの取り組みは重要な一つの過程と考えております。

今後、本会の常置委員会である企画委員会を主体として、各委員会、部会および支部等の年次の事業報告等と本提言との整合性を年度のはじめに確認し、必要に応じて本提言の活用に関わる企画を検討してまいります。

■タスクフォースメンバー

 越塚誠一(東大)、成宮祥介(JANSI)、高田 孝(東大)、山本章夫(名大)、笠原直人(東大)、
 布目礼子(原環センター)、山口 彰(東大)、川村愼一(日立GE)、中山真一(JAEA)、新堀雄一(東北大)

■引用文献

1) 一般社団法人 日本原子力学会 東京電力福島第一原子力発電所事故に関する調査委員会; 福島第一原子力発電所事故 その全貌と明日に向けた提言学会事故調最終報告書,丸善出版 (2014).

2) 一般社団法人 日本原子力学会 学会事故調提言フォローワーキンググループ:福島第一原子力発電所事故に関する調査委員会報告における提言の実行度調査-10 年目のフォローアップ- (2021).