一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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論文投稿の際の著作権および二重投稿についての注意点

2022年4月27日

研究成果を公表するための様々な媒体が増えている中、日本原子力学会論文誌への投稿をご検討頂きまして有り難うございます。
以下に、論文投稿の際に注意していただきたいことをまとめましたので、ご一読願います。

著作権に関する注意点

論文投稿にあたっては、著作権法を遵守し、著作権の侵害にならないようご注意ください。著作権が設定された雑誌等の刊行物の内容(図表・文章等)の一部を利用・転載しようとする際には、まず、著作権法第32条の「引用」の条件注1)を満たすか否か判断してください。「引用」の条件を満たす場合は、著作権者の許諾を得ることなく利用・転載することが可能ですが、著作権法48条が要求する出所の明示が必要です。「引用」できる条件を満たさない場合は、著作権者(出版社等)に一部転載の許諾を得てください。自らが著者である刊行物の内容を利用する場合であっても、著作権法が要求する上記の措置が必要です。論文投稿時の著作権Q&Aに具体的な著作権対応例を記載しておりますので、ご参照ください。

二重投稿に関する注意点

同一の研究結果についての論文等(投稿中のもの、受理されたものを含む)を2つ以上の審査機関・出版社等に投稿することは「二重投稿」と見なされ、社会的に重い制裁が課せられることがあります。投稿にあたっては、投稿論文の内容が「二重投稿」に該当しないことを必ず確認してください。

(1)他の学術的刊行物に公表されている場合の二重投稿禁止について

本学会論文誌に速報(Rapid Communication)または論文(Article)として投稿しようとする原稿は、投稿ガイドライン「投稿原稿」に定められているように「学術的刊行物を含む他の刊行物に公表(投稿中も含む)されていないもの」でなければなりません。これは、投稿原稿の新規性を保証するための措置であり、違反した投稿を行うと「二重投稿」になります。他の学術的刊行物に公表されている場合には、その一部に多少の変更あるいは追加があっても、基本的に同一内容であれば「二重投稿」と見なされます。他の学術的刊行物に公表された内容については、投稿しようとする速報または論文の原稿において、新規性のある事項として記載することは許されず、著作権法第32条の「引用」の範囲でしか使用できません。

他の学術的刊行物とは、学協会または審査機関による審査を経た論文などが掲載されている刊行物で、通常の手段で入手が可能なものとし、配布が限定された会議報文集、社内報、紀要等は含まれないものです。つまり、編集委員会のような組織だった機関が審査を行った論文を掲載しており、かつ、配布が限定されておらず、通常の文献検索の方法(インターネットを含む)で該当する論文を入手(閲覧)できる刊行物が「学術的刊行物」に該当します。例えば、社内報でも、組織だった機関による審査があり、インターネットで公開されているのならば、学術的刊行物となります。投稿論文の内容が学術的刊行物に掲載されていないことを編集委員会において完全にチェックすることは困難です。したがって、最終的には著者の責任においてこの点をご確認いただく必要があります。なお、該当する可能性のある刊行物がどのような審査を行っているか不明な場合には、発行元に確認願います。

(2)他の刊行物に公表されている場合の二重投稿禁止について

本学会論文誌に投稿しようとする全ての種別の原稿は、学術的刊行物を含むすべての他の刊行物注2)に公表されていないものでなければなりません。投稿原稿と同一内容のもの注3)が、投稿原稿と同一の著者もしくは少なくともその中の一名を含む著者によって他の刊行物注2)に公表されている場合には、「二重投稿」となります。この「二重投稿」の基準は、既に活字媒体や電子媒体で掲載された著作物と本質的にオーバーラップする著作物を掲載すること(余剰出版)を回避するための措置であり、国内外の学会等において広く採用されている基準です。他の刊行物に公開されている場合には、新たな知見、データ、考察などの追加による内容の進展と拡充が必要となります。内容の進展と拡充の具体例としては、以下のような追加が考えられます。

・実験の誤差評価をより詳細におこなう。
・解析の手法を変えるか、あるいは新たな解析結果を追加する。
・実験データを追加する。
・結果に対する考察をより詳細におこなう。

速報または論文として投稿しようとする著者は、「他の学術的刊行物に未公表」の要件に加えて、「すべての他の刊行物に同一内容のものが未公表」の要件を満たさなければなりません(Preprint Server(arXiv.orgなどの非営利を除く)などのオンライン公表を含む)。

著者は、投稿ガイドライン「著者の責任」に定められているように、投稿原稿が既に公表された内容を含んでいる場合には、関連する論文等をすべて学会(編集委員会)に申告してください。
なお、投稿原稿が二重投稿に該当すると編集委員会が判断した場合には、「掲載否」となりますので、投稿に当たっては、ご注意願います。二重投稿に関するQ&Aに具体的な二重投稿判断例を記載しておりますので、ご参照ください。

注1)著作権が設定された刊行物の内容の一部を「引用」として利用・転載するには、下記条件を満たす必要がある。
  1. 文章の中で著作物を引用する必然性があること。
  2. 質的にも量的にも、引用先が「主」、引用部分が「従」の関係にあること。
  3. 本文と引用部分が明らかに区別できること。例『かぎかっこを使用する』
  4. 引用元が公表された著作物であること。
  5. 出所を明示すること。
注2)学術的刊行物を含むすべての刊行物。ただし、学会・研究会等の抄録集および当学会編集委員会が認めた次のものを除く。
  1. 自身の卒業論文、修士論文、博士論文(ただし、各大学図書館または関係機関から付与されたDOIなどのリポジトリ―情報は必ず明記すること。なお、3年以内の投稿を原則とする)。
  2. 自身または自身を含む研究グループが行った政府系ファンド(科学研究費補助金を含む)や民間研究支援ファンドによる研究内容で成果報告書の公表が求められている場合、報告書の提出先と契約上のルールに反しないこと、また本投稿について上記報告書の共著者の承諾が得られていれば可能である。さらに、公表されてから3年以内の投稿を原則とする。ただし、関係機関から付与されたリポジトリ―情報は必ず明記すること。
注3)他の刊行物に公開された論文等の内容に対して、新たな知見、データ、考察などが加えられていないもの。