行動指針・倫理規程

原子力学会の行動指針

2014年5月28日 理事会

日本原子力学会は、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ2013年度総会において定款を改定し、その目的を「公衆の安全をすべてに優先させて、原子力および放射線の平和利用に関する学術および技術の進歩をはかり、その成果の活用と普及を進め、もって環境の保全と社会の発展に寄与すること」としました。この趣旨を受け、本会として取り組む行動指針を以下のとおり定めました。

  1. 信頼醸成への貢献
    • 弛まず安全性の向上を追求する。
    • より高い倫理観を醸成する。
    • 公平公正を旨とし、透明性を維持する。
    • 国民・地域社会から信頼される技術情報源となるよう努める。
  2. 社会に役立つ原子力技術の追求
    • 広く国内外の知見・経験に学び、学術および技術の向上を主導する。
    • 研究開発成果の活用と普及を進め、地球環境の保全、人類社会の持続的発展に寄与する。
    • 次世代の研究者・技術者を育成・支援し、技術の継承を図る。
  3. 国際的な活動
    • 原子力平和利用の豊富な実績と、原子力事故の当事国となった経験に基づき、世界の原子力技術とその安全性の向上に貢献する。
    • 我が国の原子力平和利用と核セキュリティに対する国際的信頼の向上に努める。

以上

(参考)
上記の行動指針は、予め改定案を公表し、2014 年 3 月~4 月の間、会員の皆様のご意見を募集し、寄せられたご意見を一つずつ反映の要否を検討して最終改定案に纏め、同年 5 月 28 日の理事会にて最終決定したものです。貴重なご意見を頂戴しました会員の皆様に感謝申し上げます。(企画委員長)

倫理規程

2014年6月20日 倫理委員会

日本原子力学会倫理委員会は、平成26年5月28日の第7回理事会の承認を得て、4年ぶりに倫理規程を改訂しました。この倫理規程は平成13年5月に制定されて以来、ほぼ2年ごとに部分改定を行ってきましたが、今回、平成23年の東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省を踏まえ、原点に立ち返りって「倫理のあるべき姿」を徹底的に議論し全面改訂を行いました。

改訂の基本方針は、原子力安全の確保を最優先として行動するという理念を継続することを大前提としつつ、次の3点についてより充実した規程の策定を目指しました。

  1. 倫理の本質に立ち返り、正義と品格を有する質の高い倫理規程
    倫理は、「倫理的に不適切な行動を戒める(ethics)」という面と「社会・人のためになることに積極的に取り組み、技術者として期待される使命を果たす(Ethics)」という2つの面があり、両者とも重要です。特に、後者は、倫理的行動の原動力となるもので、学会活動の大前提でもあります。憲章では、第 1 条として、この行動原理を掲げ、会員の行動に対する価値観・使命感を明確にしました。また、倫理規程としての網羅性とそのバランスを図るべく、内外の倫理規程等を参考とし倫理規程の構成から再検討しました。
  2. 現実を踏まえた倫理規程(組織の中の個人)
    本来、倫理は個人の自主性に根ざしたものであることより、従来の倫理規程では組織について言及しておりませんでした。しかし、原子力に従事する大多数の技術者は特定の組織に属しており、その行動は、所属する組織の方針、施策、文化に大きく影響されます。この現実を踏まえ、個人と組織の係わり合いについて、会員のとるべき行動を憲章 第7条として明記ました。 また、原子力の平和利用と安全の確保において、学会の枠にとらわれず、原子力に従事する全員のよりどころとなる規程を目指しました。
  3. 実務への実装の重要性(スローガンだけで終わらせない)
    どんなに優れた倫理規程でも実務で運用しなければ意味がありません。このため、倫理規程を実務において適用することの必要性を随所に盛り込み、さらに、行動の手引きで具体化を図りました。しかし、倫理規程を実務においていかに活用するかという課題は、倫理規程だけで解決できる問題ではなく、今後、さらに、展開する必要がある。この問題は原子力学会以外の各学会においても直面している共通の課題です。

全文はこちら: 倫理規程の改訂[h26-5-28]