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登録情報
- 発行年 : 2011
- 版型頁数 : A4/30
- 重量(g) : 115
- ISBN : 978-4-89047-345-8
- 担当部会 : 水化学管理分科会
登録情報
- 発行年 : 2011
- 版型頁数 : A4/30
- 重量(g) : 115
- ISBN : 978-4-89047-345-8
- 担当部会 : 水化学管理分科会
内容紹介
軽水を冷却材及び/又は減速材として用いる型式の原子炉では,高温,高放射線下で軽水が燃料被覆管あるいは系統構造材料と接することから,プラントの安全・安定運転を確保する上で水化学管理が重要です。特に,燃料被覆管には原子炉の運転に伴い生成される核分裂生成物が密封されているため,その健全性を確保すると共に燃料被覆管の損傷時に迅速かつ適確に処置することによって,放出放射能を抑制し,環境への影響を最小限に抑えることが重要です。さらに加圧水型原子炉(PWR)では,近年,燃料の高燃焼度化や長期サイクル運転の検討も進められており,今後その重要性は増すものと考えます。PWRでは出力運転中,燃料被覆管の健全性を確認する方法の一つとして一次冷却材中の放射性よう素を定期的に測定し,その濃度変化を評価しています。濃度変化の評価には放射性よう素同位体の内,生成率や半減期等の特性から主に131Iが用いられます。また,燃料被覆管の損傷時には半減期が異なる131I/133I比をとって損傷状況の評価に用いる場合もあります。放射性よう素はγ線放出核種で,その濃度はゲルマニウム検出器を用いて計測されますが,信頼性の高い定量分析では計測前に試料から妨害核種の影響を排除するとともに放射性よう素を濃縮する化学操作が必要で,その化学分析法が重要です。PWRの水化学管理に用いる化学分析方法には,JISなどで標準化されているものもありますが,これまで放射性よう素について分析方法を特に標準化したものはありません。これらの状況を踏まえPWR一次冷却材の放射性よう素の放射化学分析方法について日本原子力学会標準とすることとしました。この標準を通じ,分析はどのような要件を満たせば良いのか,どのような方法で実施するかを広く提示することにより,放射性よう素の化学分析方法の更なる改善につながることが期待されます。この標準“加圧水型原子炉一次冷却材の化学分析方法―放射性よう素:2010”は,一般社団法人日本原子力学会が標準委員会システム安全専門部会水化学管理分科会,システム安全専門部会,及び標準委員会での審議を経て制定し発行したもので,PWRにおける一次冷却材中の放射性よう素濃度を適確に確認し,安全・安定運転を確保することを目的として実施する分析の具体的な方法について,一般事項,試料採取,器具及び装置,並びに分析操作等を規定しています。
※本標準は,2015年6月12日の標準委員会で,今後も存続すること(5年毎改定不要)の確認が行われました。