一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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【意見公告】91. 加圧水型原子炉一次系の水化学管理指針:20XX

ご意見の受付

受付期間 : 2017年03月10日 〜 2017年05月09日ご意見の受付は終了しました。

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概要

この指針は,(一社)日本原子力学会が,標準委員会 システム安全専門部会 水化学管理分科会 PWR 水化学管理指針作業会,同分科会,同専門部会及び同委員会での審議を経て制定したものです。この指針では,発電用軽水型原子炉の安全性確保に係る冷却水などの水質管理(以下,“水化学管理”という。)が担っている役割を達成すべく管理方法を規定しています。その実践を通じ,プラントシステム全体の信頼性の維持,向上,及び被ばく低減による作業従事者の安全確保が期待されます。 加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)の一次系では,高温高圧環境下で構造材料及び燃料被覆管が冷却材及び減速材としての水と接触しています。一般に,金属材料と水の界面では腐食反応がおこりますが,とりわけ PWR 一次系のような高温高圧環境下では,水質悪化に伴い構造材料及び燃料被覆管の健全性に影響を及ぼすことが懸念されます。特に水質悪化が長期間に亘ると,一次系圧力バウンダリからの冷却材漏えいや燃料破損が生じることで,環境への放射性物質の放出に繋がる可能性があります。 また,構造材料の腐食により発生する腐食生成物が水を介して炉心で放射化され材料の表面に移行蓄積しますと,これが線源となって作業従事者の被ばく線量の上昇の原因となります。 したがって,原子力安全の確保とともに作業者安全の確保のためには,水化学管理の側面からは, 1. 腐食損傷の抑制による構造材料・燃料被覆管の健全性維持 2. 線源強度低減による作業従事者の被ばく低減 の継続的な達成が求められます。 しかし,腐食損傷の抑制及び線源強度の低減は,複雑に絡み合っているため,水化学管理による運用変更は,一方へはメリットになるが,他方へはデメリットとなる側面も有していることから,電気事業者(以下,“事業者”という。)は,プラントシステムを包括的に捉え,多様な課題に対して,調和的に解決する必 要があります。 このような状況の下,国内原子力発電所では,事業者が腐食や線源強度上昇に係る種々の試験結果や 40年超に亘る運転経験から水化学管理に係る運用(管理項目,基準値,管理頻度,逸脱時の措置 等)を定めるとともに,国内外の知見及び最新技術を適宜取込むことによって,水化学管理を実施してきました。しかし,2011 年に発生した福島第一原子力発電所事故の教訓から,事業者間に限らず,その枠を超えて異なる分野の専門家と利害関係を超えた公開の場で水化学管理のあり方を議論することが社会的に要求されております。このため,公平,公正,公開の原則に基づく日本原子力学会標準として水化学管理指針を策定することによって,福島第一原子力発電所事故後の安全性向上に係る取組みを示すことが期待されます。 この指針は,事業者やメーカの技術者にとって,より良い水化学管理を実践していく上で拠り所となるもので,解説に記載された管理値等の設定に係る技術根拠は,若手技術者への技術伝承のみならず,大学などの機関の研究者にとっても教材として幅広く機能することを期待しています。指針を策定した後も,安全性向上に係る新知見及び水化学等に係る最新技術を発電所の運用に適切に反映するため,指針を改定していきます。このような活動を通じて,原子力発電所の継続的な安全性向上に寄与できるものと期待されます。

お問合せ先,ご意見提出先

一般社団法人 日本原子力学会 事務局 標準委員会担当 所在地:〒105-0004東京都港区新橋2-3-7 新橋第二中ビル3F E-mail:sc[a]aesj.or.jp  ←[a]を@に置き換えてください Tel:03-3508-1263  Fax:03-3581-6128

提出方法及び留意事項 ・提出方法

ご意見は文書(日本語)で郵送,FAX又は電子メールにて「ご意見提出先」ご提出下さい(様式は任意)。 なお,冒頭に氏名,連絡先(住所,電話番号,FAX番号又は電子メールアドレス)及び所属(会社名,団体名等)を必ず明記していただくとともに,ご意見が原案のどの箇所に対応するかを明らかにして下さいますよう,お願い申し上げます。 いただいたご意見は,原則として氏名を付けて公開させていただきますのでご了承下さい。 その際,ご意見中に,個人に関する情報であって特定の個人が識別され得る記述がある場合及び法人等の財産権等を害する恐れがある場合には,該当場所を伏せさせていただく場合があります。

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