一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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【意見公告】73. 原子力発電所に対する地震を起因とした確率論的リスク評価に関する実施基準:201*(AESJ-SC-P00*:201*)

ご意見の受付

受付期間 : 2014年03月19日 〜 2014年05月18日ご意見の受付は終了しました。

ご意見と対応

1名の方から3件ご意見をいただきました。
ご意見・回答(No.73)

概要

原子力発電所のの地震を起因とした確率論的リスク評価実施基準:201*(仮称)は,日本原子力学会が標準委員会・リスク専門部会の下に地震PRA分科会を設けて改定を検討し,リスク専門部会,標準委員会での審議を経て策定・発行したものです。原子力発電所の出力運転状態における地震を起因として発生する事故に関する確率論的リスク評価(PRA)の有すべき要件及びそれを満たす具体的方法を,PRA実施の手順を踏まえて実施基準として規定したものです。今回の改定は、2007年に発行した“原子力発電所の地震を起因とした確率論的リスク評価実施基準:2007”が発行後5年を経過したことから改定するものでありますが,改定に当たっては,最新知見を踏まえた地震PRA技術の向上を反映させるとともに,品質や透明性の確保がより適切に行われるよう,要求事項の見直しを行いました。特に,2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそのおよそ40分後に相次いで襲来した津波により,福島第一原子力発電所の炉心溶融,放射性物質の放出に至った事故からの教訓や知見は重要なものです。標準委員会ならびにリスク専門部会では,このような深刻な事故を踏まえ,地震PRA分科会,並びに傘下の3作業会(地震ハザード評価作業会、建屋・機器フラジリティ評価作業会、事故シーケンス評価作業会)を再開し改定作業を開始しました。改定に当たっては,まず地震PRA改定に必要な課題を抽出し,それらを実施基準として規定することが短期に可能なものと、技術開発なども伴い規格化を中長期に進めていくものとに仕分けし、前者は本実施基準の規定に記載することとしました。中長期的な課題についても、関連する研究、技術開発の動向などを附属書参考に記載することで、利用者との情報共有を図りました。さらに、改定のもう一つの特徴は、地震に随伴する様々な事象のPRAが可能なように、本実施基準において担うべき点は規定したことです。地震により誘起される事象は内部火災、内部溢水、そして津波との重畳と、多岐多様な事故様態を示します。これらについては、ハザード評価は地震PRA実施基準から提供され、シーケンス評価は、当該の地震随伴事象に対するPRA実施基準において展開されます。フラジリティについては、対象となる機器・構造物のフラジリティ評価の方法を地震PRA実施基準のフラジリティの箇条にて提供できるようにしておく、という分担を考えました。例えば、地震と津波の重畳のPRAを行う場合には、本実施基準で、津波対策の機器(防潮堤、水密扉など)のフラジリティ評価の方法を規定しています。これらの改定点については,各分野の項目毎に,解説1制改定の趣旨及び主要な改定点に記載しました。以上の改定を行った地震PRA実施基準を用いて地震あるいは地震随伴の事象によるPRAを行うことにより、より広い範囲の事象に対して原子力発電所の安全性を向上させることができるリスク情報を獲得することが可能です。現在公開しておりません。ご意見をいただきました。(PDF・286KB)