一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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【意見公告】54. 原子力発電所の高経年化対策実施基準(追補2)

ご意見の受付

受付期間 : 2011年04月18日 〜 2011年05月17日ご意見の受付は終了しました。

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概要

我が国においては,原子力発電所の安全・安定運転を確保するため,定期的に運転を停止して,電気事業法に基づく経済産業省による定期検査及び事業者による定期事業者検査により,省令に定める技術基準への適合性が確認されるとともに,事業者の保守管理における保全活動により,構築物,系統又は機器の健全性確認,安全機能の維持及び信頼性の維持・向上が図られています。また,プラント運転中においても,傾向監視,巡視点検,定例試験などの状態監視により,構築物,系統又は機器の異常兆候の把握が行われています。 原子力発電所を長期にわたって運転していく場合,安全性・信頼性を維持していく上で,運転年数の増加に伴い発生又は進展する経年劣化事象に主眼を置き,技術的検討を行い,必要な対策を講じることは不可欠です。これには,総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会に設置された高経年化対策検討委員会においてまとめられた “実用発電用原子炉施設における高経年化対策の充実について(平成17年8月31日)”に従って諸策を進めることが重要です。さらに,国は平成17年12月26日に,“実用発電用原子炉の設置,運転等に関する規則”を改正し,事業者の高経年化技術評価等の国への報告を規定するとともに,“実用発電用原子炉施設における高経年化対策実施ガイドライン”及び“実用発電用原子炉施設における高経年化対策標準審査要領”を制定しました。 また,原子力発電所における検査制度の改善に向けた検討が進められ,保全活動の実施体制,保全の対象となる機器・構築物の範囲,保全活動の実施計画を具体的に記載した「保全プログラム」に基づく保全活動の充実について検討されています。その検討の中で,高経年化対策は,運転当初からの保全活動に組み込まれるべきものであり,保全プログラムの基本的事項を構成する柱の一つであると考えられるようになってきました。これらの検討結果は,平成20年10月22日“実用発電用原子炉施設における高経年化対策の実施ガイドライン”に反映されました。 これらの情勢を踏まえ,日本原子力学会標準委員会では,平成19年3月に,原子力発電所の高経年化対策実施基準:2007(2007年版)を発行しました。2007年版では,運転開始30年以降を念頭においた高経年化対策の実施方法を規定していましたが,原子力発電所に対する検査制度の改善に向けた検討との連携のため,速やかに改定作業に着手し,経年劣化事象の特性を整理することにより,運転初期から,10年ごと,運転開始30年以降のそれぞれの段階に応じた高経年化対策の実施内容を取りまとめ,原子力発電所の高経年化対策実施基準:2008(2008年版)を規定化しました。 さらに,原子力発電所の高経年化対策実施基準:2010(追補1)では,2008年版でとりまとめた経年劣化メカニズムまとめ表について,平成19年11月から平成20年10月末までに,原子力安全委員会に報告された5基(福島第一原子力発電所4号機,浜岡原子力発電所2号機,東海第二発電所,大飯発電所1,2 号機)の高経年化技術評価報告書の知見を,最新知見として反映しました。 本標準案(追補2)では,経年劣化メカニズムまとめ表について,平成20年11月から平成21年10月末までに,原子力安全委員会に報告された2基(福島第一原子力発電所6号機,敦賀発電所1号機)の高経年化技術評価報告書の知見及び原子力発電所の運転経験を反映しました。