一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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【意見公告】16. 収着分配係数の測定方法−深地層処分のバリア材を対象とした測定方法の基本手順(案)

ご意見の受付

受付期間 : 2006年02月20日 〜 2006年04月21日ご意見の受付は終了しました。

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概要

この標準は,放射性廃棄物の深地層処分で用いられるバリア材(岩石,ベントナイト,セメント系材料等)の収着分配係数に対するバッチ法及び拡散法の測定手順を規定しています。本標準では,データの信頼性や再現性,適用できる範囲の判断を行なえるように基本的な測定手順を規定し,深地層処分において用いられる各種バリア材の収着分配係数の相互比較を行えるようにしたものです。本基本手順は,「収着分配係数の測定方法−浅地中処分のバリア材を対象としたバッチ法の基本手順:2002」(以下,「浅地中標準」という。)やそれ以降の技術的知見も踏まえ,深地層処分特有の課題を検討した上で規定したものです。「浅地中標準」でも述べているとおり,収着分配係数は測定条件によって大きく異なることが知られています。深地層処分の収着分配係数の測定方法の標準化に当たっては,圧縮ベントナイトや固結岩石といった圧縮系媒体のデータを如何に取得するか,深部の地層環境は一般に還元条件であるのでその条件を如何に設定するか,コロイドの影響を如何に取り扱うかなどの論点について,十分な検討を踏まえた設定が必要です。今回の検討においては,これらの論点についての検討を経て,バッチ法とともに新たに拡散法についても,現時点において標準化が可能な項目を整理し,測定者や測定方法による変動の要因を少なくして測定値の再現性を確保し測定値の相互比較を可能とするための基本手順を制定しました。収着分配係数の定義からも明らかなように,その値は天然の環境条件によって変動するので,安全評価のための収着分配係数を得るに際しては,この基本手順ばかりではなく,地質環境条件,核種移行経路,核種の化学形態等を考慮した十分な検討,評価が必要です。このための標準を一義的に定めることは困難ですが,そのような場合の留意点や参考となる情報についても解説に記述するよう努めました。今回制定した基本手順は,収着分配係数について“再現性が高く相互比較が可能な値を得る”ことを目的としています。本基本手順は規定外の条件設定を何ら妨げるものではなく,試験目的に応じて適宜条件設定を行なう際の比較の拠り所となるものと考えております。また,本標準の制定の経緯や測定条件の設定等に関する内容については,詳細を解説に記載しましたのでご参照下さい。なお,「浅地中標準」及び本標準を作成するに際し集約した技術情報を「収着分配係数の測定方法―浅地中処分のバリア材を対象としたバッチ法の基本手順及び深地層処分のバリア材を対象とした測定の基本手順―(技術レポート)」として出版いたしますことを付け加えさせていただきます。主な内容は以下の通りです。適用範囲,引用規格,定義,測定方法(準備,操作,放射能測定,計算方法,数値の丸め方,単位,測定結果の表示,記録),測定に係る安全,附属書(分配係数の測定に関連した記録項目),解説現在公開しておりません。ご意見はありませんでした。