一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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原子力発電所の停止状態を対象とした確率論的リスク評価に関する実施基準(レベル1PRA編):2019 (AESJ-SC-P001:2019)

1714

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13,750円
注文番号 1714-1

登録情報
  • ISBN : 978-4-89047-414-1
  • 担当部会 : レベル1PRA分科会
  • 版型頁数 : A4/107



  • 発行年 : 2019/10/4
11,000円
注文番号 1714-2

登録情報
  • ISBN : 978-4-89047-414-1
  • 担当部会 : レベル1PRA分科会
  • 版型頁数 : A4/107



  • 発行年 : 2019/10/4
内容紹介

<まえがきより>

原子力発電所の停止状態を対象とした確率論的リスク評価に関する実施基準(レベル1 PRA編):2019は,一般社団法人 日本原子力学会標準委員会のリスク専門部会に設けられているレベル1PRA分科会において検討し,リスク専門部会及び標準委員会での審議を経て策定・発行したものです。この標準は,原子力発電所の停止状態における内的事象に関する安全性を総合的に評価することを目的に実施する確率論的リスク評価(PRA)のうち,炉心損傷又は燃料損傷の発生頻度までを評価するレベル1のPRAを実施する場合の要件及びそれを満たす具体的な方法を実施基準として規定したものです。

原子力施設のPRAの対象とする領域は,対象施設,その運転状態,想定すべき事象の範囲,評価する指標の範囲等に応じて多岐にわたります。原子力発電所を対象とする場合には,一般的に,運転状態については,出力運転時と停止時を区別してPRAを分類し,想定すべき事象については,その発端となる事象の特性に応じて,発電システムの内部で起きるランダムな故障や人的過誤を対象とする内的事象のPRAと地震や火災等を対象とする外的事象のPRAに大別されます。また,これを評価する指標の範囲については,炉心損傷又は燃料損傷の発生頻度までを評価するレベル1 PRA,これに加えて格納容器破損の発生頻度及びその場合の放射性物質の環境への放出の量やタイミング等(ソースターム)までの評価を行うレベル2 PRA,さらに,公衆や環境への影響の発生頻度と大きさまでを評価するレベル3 PRAに分類されます。このように評価範囲が多岐にわたることから,当学会におけるPRAの実施に関する標準の整備は国内での活用のニーズやPRA技術の整備状況を考慮して,段階的に進められています。

本標準は,“原子力発電所の停止状態を対象とした確率論的安全評価に関する実施手順(レベル1 PSA編):2010”が発行後5年経過したことから改定するものです。この間には,福島第一原子力発電所の事故があり,事故の経験と反省に基づく技術的検討を行いました。また,ASME/ANSから低出力/停止時PRA標準の試行版が示されるなど,前回の標準制定後に蓄積された新知見及び評価経験等と合わせて,出力運転時レベル1 PRAの実施基準である“原子力発電所の出力運転状態を対象とした確率論的リスク評価に関する実施基準(レベル1 PRA編):2013”の策定における議論を踏まえ,改定しています。(解説1 制改定の趣旨及び主要な改定点 参照)

さらに,PRAの結果を意思決定に利用する場合に,特に手法やデータに伴う限界及び不確実さを十分に認識し,利用目的に応じて決定論的な解析や専門家判断などPRA以外の参考情報と適切に組合せて判断することが重要であることを踏まえて,こうした判断に必要なPRA実施過程での前提条件や不確実さの情報が明示されるべきことにも留意しました。