一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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福島第一原子力発電所の汚染水の処理について

1号機から3号機までに注入された冷却水は、圧力容器、格納容器、原子炉建屋からタービン建屋地階まで広範にわたる領域に滞留する。この滞留水(以下、汚染水と呼ぶ)から放射性核分裂生成物などの不純物を除去し、再び原子炉に注水するという大きな循環系での冷却が行なわれている。タービン建屋地階には地下水が流れ込むため、汚染水がオーバーフロしないように、増加分を余剰水タンク群に貯蔵しているが、余剰水は既に50万トンに近づいている。また、汚染水の一部が地下水へ漏出する事象が顕在化している。汚染水への地下水の混入を抑制し、放射性核分裂生成物の系外への漏出を抑制するためには、格納容器からの漏洩箇所を同定、封水して、原子炉容器から格納容器までの小さな循環系で冷却することが急がれるが、まだ、漏えい個所は同定されていない。タービン建屋地階での汚染水と地下水の接触を抑制するため、地下水のバイパス工事および建屋領域全体の封水対策などが準備されている。これらが成功し、汚染水の格納容器系への閉じ込めと漏洩対策が完了しても、既にサイトに蓄積されている大量の汚染余剰水の処理・処分が問題として残る・・・続きは本文を参照ください。
福島第一原子力発電所の汚染水の処理について